PGC.journal

第1回講演

歯科医療と関連した医学知識
-循環器専門医が語る心疾患治療の現状とポイント-

●日時:平成28年6月12日(日)9:30~13:00
●講師:石木  良治

講師からのメッセージ

当院では年間約100 例の急性心筋梗塞症例、約250 例の心不全急性増悪症例が入院となり、私たちは日々急性期治療に取り組んでおります。治療の進歩は日進月歩であり、自分たちが学生だった頃とは、かなり違ってきている分野もあります。また、人口の高齢化に伴い、入院症例も年々高齢化し、80 歳85 歳にステント植え込みを含めた積極的治療を行うことも当然のこととなってきています。同様に、慢性期の維持療法に関しても進歩がみられ、例えば抗凝固といえばワルファリンしかなかった時代から、新規抗凝固薬(NOAC)が使われる時代へと変わりました。歯科を受診される高齢者のなかにも、心血管系の疾患を持ち、多くの内服をし、かつとてもお元気な患者さんが、たくさんいらっしゃることと思います。そこで、今回の機会を利用し、循環器疾患の現状をご報告させて頂ければと考えております。心疾患を持つ症例の注意点などが、情報共有できれば幸いです。宜しくお願いいたします。

講演内容

  1. 急性心筋梗塞や狭心症に対する治療、抗血小板薬の使い方
  2. 心房細動の治療はかなり変わった、抗凝固薬の使い方
  3. 心不全治療の進歩、高齢者でも救命率向上
  4. 大動脈解離、肺塞栓症 怖い血管の病気

略歴

1990年 3月
名古屋大学 医学部卒業
1990年 4月~1994年 3月
三井記念病院 内科、循環器科 レジデント
1994年 4月~1997年 3月
岡崎市民病院 循環器科
1997年 4月~2001年 3月
名古屋大学医学部大学院
2001年 3月
学位取得
2001年 4月
トヨタ記念病院循環器科
2003年 1月
トヨタ記念病院循環器科 科部長
2011年 1月~
トヨタ記念病院内科 科部長

所属学会

日本内科学会、日本循環器学会、日本心臓病学会(FJCC)、日本心血管インターベンション治療学会、日本不整脈学会、日本心臓リハビリテーション学会、日本医療マネージメント学会、日本クリニカルパス学会

資格

内科学会認定総合内科専門医、日本循環器学 会認定循環器専門医
日本心血管インターベンション治療学会認定専門医
心臓リハビリテーション指導士

最近の文献

  1. 石木良治:患者のメリットを考えた循環器地域連携パス5年間の経験、日本クリニカルパス学会誌17巻3号、p316-319、2015
  2. 石木良治:ER心電図の超速診断 救急現場で初心者が役立つ(第10章)、西村書店、2015