PGC.journal

第5回講演

増える歯科難民を救う
-トップランナーが語る訪問診療のコツとツボ-

●日時:平成29年12月10日(日)9:30~13:00
●講師:菊谷 武

講師からのメッセージ

日本人の追跡調査から、ほぼ全ての人が期間の長短は別にして自立した生活が困難な時期を過ごすことがわかっています。すなわち、歯科医院に来院してくれている患者はほぼ全て通院不可能になります。「生活の医療」と歯科医療は形容されます。ならば、生活の場で医療をやってこそ生活の医療と言えるのではないでしょうか?体調を崩して診療室に来られなくなった患者さんに、良かったらおうちに行きますよと言ってあげてください。

患者さんは家で暮らしています。住み慣れた家で、家族の思い出と伴に暮らしています。多くの歯科医は自分をかかりつけと思ってくれている患者さんたちに支えられているともいえます。お家での歯科医療はできることが限られています。でも、ちょっとした処置で患者さんは苦痛から開放され、食べる楽しみを取り戻します。歯科医師として人生の先輩たちのその終末のステージに立ち会えることは、歯科医師冥利に尽きるものです。お家に行きましょう、自分を支えてくれた患者さんのために。

講演内容

  1. 日本人はどう老いているのか?
  2. オーラルフレイルと歯科医療の役割
  3. 口腔機能の評価法、障害に対する対応法
  4. 外来診療からはじめる訪問診療
  5. 認知症患者に対する歯科の考え方
  6. 口腔ケアをどう行うのか?

略歴

菊谷 武 日本歯科大学教授
日本歯科大学教授 東京小金井市にある同大学口腔リハビリテーション多摩クリニック院長を務める。クリニックでは、「スプーン一杯でも食べさせてあげたい」「他の子と同じように上手に食べて欲しい」と求める介護や療育の現場で摂食支援を行っている。
著書 『絵で見てわかるー認知症「食事の困った!」に答えます』女子栄養大学出版『食べる介護がまるごとわかる本』メディカ出版

最近の文献

  1. 特別解説 各種補助床を有効活用するための歯科医師との連携、歯科技工、44(5):605-609、2016 医歯薬出版株式会社
  2. 要介護者食支援におけるオーラルフレイルの位置づけー要介護高齢者に対する食の支援―、介護福祉。健康づくり、日本介護福祉・健康づくり学会、3(2)91-95、2016
  3. 認知症患者さんの“食”と他職種連携、認知症になったらまず歯科へ、認知症の最新医療 24(1)29-31、2016
  4. 認知症患者さんに歯科ができること the Quintessence 35(2)84-95、2016
  5. 食べることの障害としてのオーラルフレイル 日本老年医学科意雑誌53(4)341-346
  6. 診療研究 お家に行こう!~訪問歯科診療のススメ~(1)月刊保団連1219:44-47、2016
    クリニカル・アドバンス PAP 臨床のヒントと舌圧測定の位置づけ DENTALDIAMOND 41(5):230-236、2016